今週、Anthropic社の新AIモデル「Claude 3.5 Sonnet」が登場し、その新機能「Artifacts」が注目を集めています。OpenAIもmacOS向けのChatGPTデスクトップアプリを無料で提供開始し、ユーザー体験が大幅に向上しました。Googleの温室効果ガス排出量の増加やMicrosoftの新しいデータ抽出システム「GraphRAG」、さらに新世代の動画生成AI「Gen-3 Alpha」など、多岐にわたる最新の技術動向をお届けします。
Claude 3.5 Sonnetの新機能「Artifacts」
Anthropic社が最新のAIモデル「Claude 3.5 Sonnet」をリリースし、その新機能「Artifacts」が話題になっています。Artifactsを使用することで、ユーザーはCSVファイルから簡単にデータ分析を行うことができ、視覚的にコンテンツを作成・管理する機能が強化されました。例えば、神奈川県が公開している新型コロナウイルスの年代別感染者数に関するデータを使用して、折れ線グラフを生成し、デザインの改善も簡単に依頼できるため、モダンなデザインのグラフを作成することができました。さらに、Artifacts機能は様々なファイル形式でのダウンロードやコピーも可能で、リアルタイムで成果物を確認することもできます[1,2]。また、Claude 3.5 Sonnet自体も速度が2倍に向上し、性能はGPT-4oを超えるとされています。このモデルはLaw、Finance、Philosophyの分野で特に評価されており、APIのコストも低く設定されています[3,4]。
ChatGPTのmacOS向けデスクトップアプリ
OpenAIは、macOS向けのChatGPTデスクトップアプリを全ユーザー向けに無料で提供開始しました。これにより、音声入力や画像入力にも対応し、GPT-4oを気軽に利用することが可能になりました。以前は有料プラン加入者のみが対象でしたが、今後は無料ユーザーも利用できるようになっています。対応PCはApple Silicon搭載のmacOS 14以降のMacで、Windows版も予定されています。ファイルや写真のアップロード、カメラからの撮影にも対応し、Option + SpaceキーでChatGPTの入力画面を呼び出せる便利な機能も備えています[5,6,7,8]。
Googleの温室効果ガス排出量の増加
Googleは2024年版の環境報告書で、温室効果ガス排出量が2019年と比較して48%増加したと発表しました。主な原因はデータセンターのエネルギー消費とサプライチェーンの排出量です。特にAIの急速な進化と需要がエネルギー消費の増大に寄与しており、温室効果ガス排出量の削減は困難であるとしています。同社は2030年までに排出量ゼロを目指しており、気候変動対策にAIを活用する意向を示していますが、現時点での進展は厳しい状況です[9,10,11,12]。
CriticGPTの登場
OpenAIはChatGPTの誤りを検出するための新しいAIモデル「CriticGPT」を発表しました。CriticGPTはGPT-4をベースにしており、コードや文章の誤りを検出し訂正する能力が強化されています。このモデルはChatGPTの誤りを指摘する批評文を生成し、AIトレーナーの支援を受けて性能向上を図ります。CriticGPTの導入により、人間の批評よりも高い完全性を持つことが確認されており、今後もAIの出力を調整するツールの開発が進められる予定です[13,14,15]。
Googleの新しいAIモデル「Gemma 2」
Googleは新しいAIモデル「Gemma 2」をリリースしました。商用利用可能で、9Bと27Bの2つのモデルが提供されており、初代よりも高い推論効率を実現しています。特に27Bモデルは競争力があり、様々なハードウェア環境で高速に実行可能で、NVIDIA NeMoにも対応予定です。Gemma 2はNVIDIA H100 Tensor Core GPUまたはTPUホスト1つで展開コストを大幅に削減できるため、研究者や開発者にとって非常に有益なツールとなっています[16,17,18]。
MicrosoftのGraphRAG
MicrosoftはLLMを使用して非構造化テキストから意味のある構造化データを抽出するための新しいシステム「GraphRAG」を発表しました。GraphRAGは従来のRAGの課題を克服し、複雑な質問にも正確に回答できるようになっています。特に企業の非公開データ分析において革新的な技術として期待されており、Azureリソースを利用したユーザーフレンドリーな環境で手軽に試すことができます。Microsoftは今後、様々な分野での応用を進める予定です[19,20,21]。
新世代の動画生成AI「Gen-3 Alpha」
Runwayは新しい動画生成AIモデル「Gen-3 Alpha」を一般公開しました。月額12ドルからの有料プランに加入することで利用可能で、指示はプロンプトのみで画像参照は不可。生成された動画は1280×768、24FPS、H.264エンコードで、10秒生成で1回100クレジット消費します。カメラワークやライティングなどのスキルが必要ですが、高品質な動画生成を手軽に行えるため、多くのユーザーが注目しています[22,23,24]。
FigmaのAI機能「Make Design」の一時無効化
FigmaはAI機能「Make Design」を無効化しました。この機能はテキストプロンプトでデザインを行うツールで、アプリ開発者が高度にトレーニングされたアプリを作成できると報告されています。しかし、Appleのアプリに酷似したデザインが生成されたため、品質保証プロセスを強化するまで一時的に停止されました。FigmaのCEOは、チームに締め切りを守るように圧力をかけたことを自ら責め、AIツールの開発アプローチを擁護しています[25,26,27]。